USCPA(U.S. Certified Public Accountant)は、米国の各州が認定する公認会計士の資格です。日本にいながら受験でき、英語と会計の両方を生かしたキャリアにつながる資格として注目されています。
USCPAと日本の公認会計士の違い
USCPAの試験はAICPA(米国公認会計士協会)が作成し、NASBAとPrometricを通じて世界各地でコンピュータ試験(CBT)として実施されています。国際受験に参加している州に出願すれば、東京や大阪などの会場で受験できます。
| USCPA | 日本の公認会計士 | |
|---|---|---|
| 試験の形式 | 科目合格制(4科目) | 一括合格が原則 |
| 受験できる時期 | 年間を通じて受験可能 | 年に決まった日程 |
| 勉強時間の目安 | 1,200〜1,500時間ほど | 3,000〜5,000時間ほど |
| 英語 | 試験はすべて英語 | 日本語 |
いちばん大きな違いは試験の仕組みです。日本の公認会計士試験は一括での合格が原則ですが、USCPAは1科目ずつ合格を積み上げていけるので、働きながらでも挑戦しやすくなっています。「どちらが上か」ではなく、「自分のキャリアにどちらが必要か」で選ぶ資格です。
試験の仕組み
現在の試験は、必須の3科目(FAR・AUD・REG)と、3つの選択科目(BAR・TCP・ISC)から1つを選ぶ、合計4科目で構成されています。以前のBECという科目は廃止され、内容は選択科目のほうに移されました。
- FAR(財務会計):範囲が広く、多くの受験生が最初に取り組む科目です
- AUD(監査):暗記よりも、監査人としての判断が問われます
- REG(税法・ビジネス法):覚えることは多いですが、パターンで整理しやすい科目です
- BAR・TCP・ISC(選択科目):FARの後ならBAR、REGの後ならTCP、IT・内部統制に関心があればISC、という選び方が一般的です
各科目の試験は、前半がMC(多肢選択式)、後半がTBS(資料を読み解いて答える総合問題)という構成です。知識があるかだけでなく、問題文の条件を読み取り、手順どおりに処理できるかが得点を分けます。そのため勉強も、テキストを読むだけでなく、早い段階から時間を測って問題を解く練習を取り入れるのがおすすめです。
合格ラインは全科目75点(0〜99点のスコア)です。多くの州では、科目合格の有効期限はスコア発表日から約30ヶ月です(州によって異なります)。期限に余裕を持たせるなら、14〜18ヶ月ほどでの全科目合格を目標にすると安心です。
科目ごとの難しさや選び方は、科目選択ガイドと合格率ガイドで解説しています。
受験資格・費用・勉強時間
USCPAは、誰でもすぐに受けられるわけではありません。学歴・会計単位・ビジネス単位・居住に関する条件が州ごとに違い、日本に住んでいる人は、国際受験に参加している州かどうかも確認が必要です。教材を買う前に、出願する州の候補を絞っておくと手戻りが減ります。手順は受験資格と州選びにまとめています。
総費用は、予備校・教材・出願料・受験料・国際受験の追加手数料・(必要な場合は)単位取得費用を合わせて、おおよそ80〜120万円が目安です。内訳は費用ガイドで解説しています。
勉強時間は経歴によって大きく変わります。会計の経験があり英語もある程度読める人で1,000〜1,300時間、会計が未経験の人は1,400〜1,800時間ほどを見ておくと、計画を立てやすくなります。週30時間を確保できれば、4科目で12ヶ月前後が目安です。詳しくは勉強時間ガイドをご覧ください。
合格後のことと、向いている人
USCPAのゴールは3段階に分けて考えると整理しやすくなります。①4科目に合格する、②必要に応じてEthics(倫理試験)や実務経験の条件を満たしてライセンスを取る(CPAと名乗る)、③合格をどんな仕事に生かすか、の3つです。日本に住んでいる人の多くは、まず①を確実に取り、②は州の条件を見て後から判断しています。
BIG4監査法人、FAS、外資系企業の経理・FP&A、海外駐在など、英語を使う会計の仕事を目指す人に向いている資格です。反対に、日本の独占業務(監査業務など)に就くことが目的なら、日本の公認会計士のほうが合っています。
ライセンスについてはライセンス取得ガイド、取得するメリットはメリット・デメリットで解説しています。
USCPAの始め方
迷わずに始めるには、次の順番で進めるのがおすすめです。教材を先に買ったり、合格率だけで科目の順番を決めたりすると、遠回りになりがちです。
- 受験資格を確認し、出願する州の候補を2〜3に絞る(受験資格と州選び)
- 最初に受ける科目(多くはFAR)と、週の勉強時間を決める
- 出願からNTS(受験票)取得までの期間を把握する(出願・NTSの手順)
- 問題演習を中心に勉強を始める
科目の勉強を始める前でも、RQ弱点診断で今の理解度を確かめておくと、どこから手をつけるかを決めやすくなります。制度や数字は改定されることがあるので、最終的な確認はAICPAやNASBAの公式情報で行ってください。