USCPAは、どの州に出願するかによって、受験資格・単位の条件・ライセンスの条件が変わります。日本に住んでいる人が最初にやるべきことは、教材を買うことではなく、州ごとの条件を確認することです。確認する項目と順番をまとめました。
受験資格は州ごとに違う
USCPA試験の受験資格は、米国の各州のBoard of Accountancy(会計士委員会)が決めています。学士号が必要かどうか、会計単位・ビジネス単位がいくつ必要か、居住の条件、出願手数料は、州によって異なります。一般的な情報だけで「自分は受験できる」と判断すると、出願が差し戻されて数週間を失うこともあります。
日本に住んでいる人が最初に確認したいのは、次の5つです。
- 学歴:学士号があるか、不足単位をどう補うか
- 会計・ビジネス単位:州が求める単位数と科目区分
- 居住要件:州外・海外在住でも出願できるか
- 国際受験対応:日本会場(Prometric)で受験できる州か
- ライセンス要件:合格後に実務経験・Ethicsが必要か
州を選ぶときの考え方
日本の会場(東京・大阪などのPrometric)で受験するには、国際受験に参加している州へ出願する必要があります。NASBAの案内によると、一部の州は国際受験に参加していません。候補の州を決めたら、まず国際受験ができるかを確認しましょう。
1. 国際受験対応
日本会場で受けるなら必須条件。非参加州を候補に入れない。
2. 単位要件の厳しさ
不足単位が多いほど開始が遅れる。最短受験と将来ライセンスはトレードオフになり得る。
3. SSNの要否
一部州は社会保障番号を求める。日本在住者は不要州を優先しやすい。
4. 合格後のライセンス
試験合格とライセンス取得は別問題。目的が転職実績なら受験しやすさ優先でもよい。
州の選び方は、目的によっても変わります。受験を早く始めたいなら、国際受験に参加していて不足単位が少ない州が候補になります。将来米国でライセンスを使うことまで考えているなら、受験しやすい州とライセンスを取りやすい州が一致しないこともあるので、実務経験の条件まで見て選びます。詳しくはライセンス取得ガイドをご覧ください。
たとえば、日本の大学の経営学部を卒業し、会計の科目もある程度取っている社会人の場合、A州では単位が足りるのに、B州ではビジネス単位が足りない、C州は単位は足りるがSSN(社会保障番号)や実務経験の条件が厳しい、といった違いが出ることは珍しくありません。「学歴があるから大丈夫」とは言い切れないので、候補を2〜3州に絞って比べてみましょう。
比べるときは、「州名/国際受験/会計単位/ビジネス単位/SSN/ライセンスの実務経験/メモ」の7つの列で表を作ると整理しやすくなります。
学歴・単位の考え方
多くの州は、学士号(またはそれに相当する単位)を前提にしています。加えて、会計単位とビジネス単位を求める州が多く、必要な単位数は州によって大きく違います。会計15単位ほどでよい州もあれば、会計・ビジネスとも30単位を超えて求める州もあります。
日本の大学の科目名が、そのまま米国の会計単位として認められるとは限りません。シラバスの提出や、評価機関(WES・FACSなど)による審査が必要な場合があります。審査には数週間〜数ヶ月かかることもあるので、教材を終えてから考えるのでは遅くなります。
単位が足りない場合、不足が少なければ単位の取得と出願の準備を並行できます。不足が多ければ、先に単位取得の計画を立て、受験を始める時期を逆算しましょう。単位を取る手段は、州が認める教育機関やプログラムである必要があるので、「オンライン講座なら何でもよい」と自己判断しないように注意してください。
週0:目的と候補州2〜3を仮決め
週1–2:書類・シラバス・不足単位の洗い出し
週3–:不足単位の取得開始(認められる手段か確認)
並行:FAR等の基礎学習は開始してよいが、出願できる時期を基準にスケジュールを組む
よくある誤解
- 「会計学部卒ならどの州でもすぐ受けられる」→ 単位区分が足りないことがある
- 「人気州なら安心」→ 国際受験非参加やSSN要件で詰まることがある
- 「予備校に入れば州は後でいい」→ 州が決まらないと出願・NTSが始まらない
- 「合格すればどこでもCPA」→ 名乗る条件は州のライセンス要件次第
書類でよくつまずくのは、旧姓と現在の姓が一致しない、大学の科目名が抽象的、シラバスが残っていない、英文の証明書の手配が遅れる、といったケースです。「すぐに出せる書類」と「取り寄せが必要な書類」を分け、取り寄せから始めましょう。氏名の表記はパスポートに合わせておくと、後のNTSや試験会場の入場でも困りません。
出願前のチェックリスト
- 目的:試験合格重視 / ライセンスまで / 両方
- 学士号の有無、専攻、卒業年
- 会計・ビジネスに該当しそうな科目一覧(シラバス保管)
- 候補州を最大3つまで(国際受験対応のみ)
- 各州の会計単位・ビジネス単位・総単位・SSN・居住要件
- 評価機関が必要か、必要ならリードタイム
- 出願手数料と必要書類
- 最初に受ける科目(FAR等)と学習開始日
州の見当がついたら、出願 → NTS取得 → 国際受験の登録 → Prometricでの予約、という手続きに進みます。手順とよくある失敗は出願・NTSの手順、費用は費用ガイド、試験制度の変更は2026年試験変更まとめで解説しています。
州の条件は改定されることがあります。最終的な確認は、NASBAの候補者向け案内(国際受験の案内)と、出願する州のBoard of Accountancyの公式情報で行ってください。
よくある質問(受験資格)
Q. 高卒・専門学校卒でも受けられますか?
A. 州によります。学士号がなくても受験できる州もありますが、単位や国際受験への参加など、ほかの条件も必ず確認してください。
Q. 会計学部を卒業していれば安心ですか?
A. 安心材料にはなりますが、単位の区分が足りなかったり、シラバスの提出が必要になったりすることがあります。
Q. 予備校に入れば州は自動で決まりますか?
A. サポートがあることは多いですが、最終的な条件の確認と判断は、自分の目的に合わせて行う必要があります。