この記事は「科目別合格率データ」の読み方に特化する。難易度の体感や英語負荷は難易度ガイド、学習時間は勉強時間ガイドへ。数字だけ見て安心しないための記事だ。
FIGURE 01 · 合格率の使い方
ランキングではなく配分の地図
最新の科目別合格率(AICPA公式)
一次情報はAICPAの合格率ページ。以下は2025年累計と、2026年Q1〜Q2累計の概数だ(小数点以下は四捨五入)。受験計画はこの数字の「相対関係」を見るために使う。
科目別合格率(AICPA)
出典:AICPA「Learn more about CPA Exam scoring and pass rates」(2026年確認)。最新値は公式で再確認。
数字の読み方(誤解しやすい点)
合格率は「その四半期に受験した人のうち何%が75点以上だったか」であり、日本人専用の合格率ではない。また、TCPのように高い科目は「簡単」ではなく、REG直後に受ける受験生が多いなど母集団の影響も大きい。BARはFAR延長の難度が高く、合格率が低く出やすい。
日本人受験者の傾向
International candidates(日本含む海外受験者)は、英語負荷と米国基準への馴染みの薄さで苦戦しやすい。特にAUDの思考問題とREGの税法は、日本語教材だけで表面的に覚えると本番で崩れる。逆に、弱点を数値化してから科目順を決めた受験生は、再受験回数を抑えやすい。
合格率データから取るべき行動
- FAR / BARは学習時間を厚めに確保する
- REGが取れたらTCPを連続で狙う(親和性が高い)
- AUDは暗記量ではなく思考プロセス訓練を先に置く
- 再受験前はPerformance ReportとRQ診断で弱点を再スコア化する
関連:難易度の分解 関連:不合格後の再受験手順 関連:Discipline科目の選び方
合格率の正しい使い方
科目別合格率は「受けやすさランキング」ではない。相対的な難所の把握と、自分の学習配分を決めるための参考値だ。REGが高いから簡単、FARが低いから無理、と短絡すると計画を誤る。自分の弱点(英語・計算・監査判断・税法暗記)との相性で見る。
CoreとDisciplineで母集団が違う
FAR・AUD・REGはほぼ全員が受ける。一方BAR・TCP・ISCは選択制のため、受験者層が偏る。合格率の高低だけでDisciplineを選ぶと、キャリアやFAR/REGとの連続性を無視した選択になりやすい。選び方は科目選択ガイドを優先する。
FIGURE 02 · 母集団の違い
同じ%でも意味が違う
Core(FAR/AUD/REG)
- ほぼ全員が受験
- 比較の基準にしやすい
- 学習順の土台
Discipline(BAR/TCP/ISC)
- 選択制で層が偏る
- %だけで選ばない
- キャリアと連続性で決める
日本人受験生が数字を見るときの注意
AICPA公表の合格率は全世界の受験結果であり、日本人だけの合格率ではない。英語負荷・会計バックグラウンド・予備校利用有無で体感難易度は変わる。数字が悪い科目を避けるより、自分が落とす論点を潰す方が合格確率は上がる。
合格率と勉強時間は別指標
合格率が相対的に高い科目でも、必要暗記量が多い、受験ウィンドウが限られる、税法改正のタイミングが難しい、といった別コストがある。逆に合格率が低めでも、学習順と演習設計で突破できる。時間設計は勉強時間ガイド、難易度の体感は難易度ガイドへ。
不合格率が高いときにやるべきこと
不合格は珍しくない。重要なのは、同じ勉強法で再受験しないことだ。Performance Reportで弱いAreaを特定し、RQ診断で現状スコアを取り直し、直前期の演習比率を上げる。手順は再受験ガイドに整理した。
データ更新の見方
合格率は四半期・年次で動く。計画に使うなら、単月の跳ねを追うより、直近の年次とYTDの相対関係を見る。一次情報はAICPAの合格率ページを優先し、当サイトの図表は参照補助として扱う。
公式:AICPA|CPA Exam scoring and pass rates(URLは改定され得るため、AICPAサイト内検索で最新ページを確認)
受験順への落とし込み(実務)
FIGURE 03 · 計画テンプレ
数字→配分→検証
- FARが相対的に低い → 初期に時間バッファを厚く取る
- REGが相対的に高い → 「簡単」ではなく暗記の仕組み化で取り切る
- BARが低い傾向 → FAR直後の連続受験か、十分な演習期間かを先に決める
- TCPはREG連続が有利なことが多い → 税法改正タイミングも確認
"合格率は天気予報であって、あなたの得点そのものではない。"
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合格率記事で答えるべき問い
読者が本当に知りたいのは「何%か」よりも、「自分の計画にどう使うか」だ。この記事の役割は、①公式データの相対関係を示す、②誤解(簡単/無理)を防ぐ、③週次配分と受験順に落とす、の3点に限定する。難易度の体感や英語負荷の詳細は難易度ガイド、時間は勉強時間ガイドへ分ける。
科目別データの読み方(実務)
FARが相対的に低めなら、初期に時間バッファを厚くする。REGが相対的に高めでも、暗記の仕組み化がなければ落ちる。AUDは%だけでなく「判断を言語化できるか」で体感が分かれる。Disciplineは母集団が違うので、%の高低だけで選ばない。
四半期の跳ねを追って一喜一憂しない。直近の年次とYTDの位置関係を見て、「どの科目に余力を残すか」を決める。一次情報はAICPAの合格率ページを優先し、当サイトの図表は補助として扱う。
日本人受験生が上乗せで見るべき負荷
公式合格率は全世界ベースだ。日本人受験生は、①会計英語の処理速度、②TBSの手順記述、③仕事との両立、が上乗せ負荷になりやすい。逆に、税務や監査の実務がある人は、特定科目で公式%以上に戦いやすい。数字を個人に引き直す作業を省略しない。
不合格率が高い科目への向き合い方
不合格は失敗の証明ではなく、配分修正の信号だ。同じ教材を最初からやり直すより、Performance Reportと演習ログで弱いAreaを特定し、そこに週の40%以上を寄せる。再受験設計は再受験ガイドに詳しい。
受験順への具体的な落とし込み例
例1:会計未経験社会人
FARに厚く(週の半分近く)→ AUD → REG。Disciplineはキャリアで後決め。
例2:税務実務あり
FAR → AUD → REG → TCP(連続)。ただし2026年の改正タイミングを確認。
例3:FARが苦手でBAR希望
FAR合格後に回復期間を置き、BARウィンドウと演習充足を見てから連続する。
合格率を使った週次レビュー質問
- 今週、弱いAreaに予定どおり時間を使ったか
- 正答率が低い帯域は「知識不足」か「読み違い」か
- 来週削るべき得意帯域はあるか
- 受験月とCredit Windowに矛盾はないか
よくある誤解
- 合格率が高い=自分も簡単に受かる
- 合格率が低い=向いていない
- Disciplineは合格率順に選ぶべき
- 日本人だけの公式合格率があるはず(一般向けに常時あるとは限らない)
"合格率は天気予報だ。傘を持つか(配分を厚くするか)を決めるために使い、運命診断に使わない。"
データは更新される。計画前にAICPA側の最新表を確認し、当記事の相対関係だけを持って配分を決めること。科目選択の判断は科目選択ガイドへ。
データを「配分」に変換するワークシート
紙でもメモアプリでもよいので、次を埋める。①受ける科目、②公式の相対感(高/中/低)、③自分の弱点(英語/計算/判断/暗記)、④今週の演習時間、⑤弱いAreaへの割当%。④と⑤が空なら、合格率を見ても行動は変わらない。
割当%は最初から精密でなくてよい。まず「弱い帯域に40%以上」を守る。2週間後に正答率が動かなければ、教材不足ではなく演習設計(復習間隔、TBS不足、読み違い)を疑う。
模試・セット演習との接続
合格率は他人の平均だ。自分の現在地は、セット演習や模試のスコアで測る。公式%が低い科目でも、自分のセット演習が安定していれば受験してよい。逆に、公式%が高くてもセット演習が崩れているなら延期する。他人の平均より、自分の再現性を優先する。
Discipline選択と合格率の正しい距離
BARの%が低く見える時期でも、FAR直後の連続が成立する人には合理的な選択になり得る。TCPの%が高く見えても、REGが未完成なら連続は危険だ。合格率は「候補の除外理由」には使えても、「候補の決定理由」だけでは弱い。決定はキャリアと連続性で行う。
更新タイミングと計画見直し
四半期ごとに数字は動く。ただし学習計画を毎回作り直す必要はない。見直しポイントは、①受験科目が変わったとき、②連続受験の可否が変わったとき、③自分の弱点構造が変わったとき、の3つに限る。数字ニュースを追う時間は、弱点演習に回した方が合格に近い。
関連アクション
公式データの確認を怠らず、当記事は配分のための二次整理として使うこと。
ケーススタディ:同じFARでも配分が変わる
受験生A(会計経験あり・英語不安)は、FARの知識より設問処理で落とす。公式%が低く見えても、対策の主戦場は英語処理とTBS手順になる。受験生B(未経験・計算嫌い)は、範囲の広さと計算プロセスが主戦場になる。同じ科目でも、配分の中身は別人になる。
したがって「FARは難しいから時間を増やす」だけでは不十分で、「増やす時間を何に使うか」まで決める。増やす先が動画視聴だけなら、合格率の相対感を行動に変換できていない。
数値目標の例(目安)
セット演習で安定して目標帯に乗る、弱いAreaの正答率が平均以上に戻る、直前期に新規インプットより復習が主になる——といった「自分の再現性」指標を持つ。他人の合格率を目標数値にしない。自分の演習ログが改善しているかが、受験GOの判断になる。
合格率ページの使い終わり条件
この記事を読み終わった判定は、①受ける科目の相対感を言える、②自分の弱点と結び付けた、③週次の割当%を書いた、の3点が揃ったときだ。感想として「FAR難しそう」で終わるなら、まだ配分に落ちていない。
次は勉強時間で枠を確保し、科目選択でDisciplineを仮決めし、RQ診断で現状を測る。
週次レビューの実例(記入例)
科目:FAR
公式の相対感:低め〜中(年次を見て判断)
自分の弱点:Lease計算の手順漏れ、英語の条件読み落とし
今週の演習:10時間(うち弱点6時間)
来週の変更:動画を減らし、間違えたTBSの手順再現を3本
この記入例のように、「%」より「何に時間を使ったか」「来週何を変えるか」が主語になる。合格率記事は、その主語を作るための材料だ。
合格率を見終わったあとの禁止事項
禁止に近い運用は次の3つ。①SNSでさらに合格率解説を探し続ける、②苦手科目を避けるためにDisciplineを決める、③数字が悪いからといって学習開始を先延ばしする。必要なのは、配分の更新と演習の実行だけだ。
開始前ならUSCPAとはと受験資格に戻って前提を固め、開始後なら演習ログと診断結果で配分を更新する。
まとめ:合格率は配分装置である
科目別合格率は、怖がるための数字でも、安心するための数字でもない。週次の時間配分と受験順を決めるための相対指標だ。CoreとDisciplineで母集団が違うこと、日本人受験生には英語や両立の上乗せ負荷があること、自分の再現性(セット演習)が最終判断であること——この3点を外さなければ、数字に振り回されにくい。
読み終わったら、受ける科目の相対感、自分の弱点、弱いAreaへの割当%をメモして終える。そこまでできて、初めて合格率ページを使い切ったことになる。公式表は更新されるので、計画の直前に一次情報も確認すること。
付録:配分メモのテンプレ文言
次の文言をコピーして使ってよい。「今期の受験科目は◯◯。公式データの相対感は△△。自分の主弱点は□□。今週の演習時間は◯時間で、そのうち弱点帯域に◯%。来週やめることは△△、増やすことは□□。」この一文が書けていれば、合格率ページは役割を終えている。書けない場合は、まだ相対感か弱点か時間枠のどれかが空欄だ。
なお、当サイトの図表や概数は補助であり、最新の科目別合格率はAICPAの公表を優先する。計画変更のたびに数字ニュースを追いすぎず、自分の演習再現性が上がったかどうかで受験GOを判断すること。関連して難易度の体感は難易度ガイド、時間枠は勉強時間ガイド、不合格時は再受験ガイドへ進む。
最後に、合格率は「他人の結果の平均」である。あなたの得点は、今週の演習ログと弱点の閉じ方で決まる。数字に怯える時間があるなら、その時間を1セットの演習に回した方が合格に近い。
迷ったら演習を1セット。それが最短距離だ。