4科目に合格しても、それで「CPA」と名乗れるわけではありません。州によっては、Ethics(倫理試験)・実務経験・ライセンス申請が残っています。試験の合格とライセンスは、分けて考えることが大切です。
合格後に残る3つのステップ
- Ethics:州が求める倫理試験/コースを完了する
- 経験要件:所定の実務経験と、監督者の証明(州による)
- 申請:Boardへのライセンス申請・手数料・追加書類
Ethicsは比較的短い期間で終えられることが多い一方、実務経験には年単位の時間がかかります。Ethicsは合格前後の短いタスク、実務経験は仕事の中で積み上げていくもの、申請はその2つがそろったあとの手続き、と分けて考えると整理しやすくなります。
日本在住者が迷いやすい点
受験した州と、最終的にライセンスを取りたい州が同じとは限りません。また、実務経験の認められ方は州や仕事の内容によって違います。「試験だけ先に終わらせて、ライセンスは後で考える」こともできますが、後から条件が足りないことに気づくと、やり直しが必要になる場合があります。
- 試験の合格までを目標にして、転職や社内評価に使う
- ライセンスまで取る(実務経験の条件を満たす方法が必要)
- 将来の渡米や海外駐在に備えて、条件が合う州を調べ直す
どれも正しい選択ですが、混同すると「合格したのに名乗れない」というギャップが生まれます。日本に住みながらライセンスを取る人もいますが、実務経験の満たし方や証明してくれる人(署名者)、州ごとの解釈によって道が分かれます。まずは自分の職歴を州の条件に当てはめてみましょう。当てはまらない部分が、これから埋める必要のある部分です。
「今は試験に集中して、合格後にライセンスを決める」のも1つの選択です。ただし先延ばししすぎると、実務経験の証明が取りにくくなることがあります。試験中に、州の候補を1〜2に絞り、実務経験の条件をメモしておくと安心です。
合格後に確認すること
- 合格した州のライセンス要件(Ethics / 経験 / 単位)
- 実務経験の定義(監査法人必須か、一般事業会社でも可か)
- Ethics試験の要否と手配
- 申請書類と手数料
- 他州への reciprocal / mobility の可否(将来米国で使う場合)
職歴は年数だけで考えないようにしましょう。どんな業務を、どのくらいの頻度で、誰の監督のもとで行い、どんな成果物があったかを、州の条件に照らして書き出します。実務経験の証明に署名者が必要な場合、合格後に慌てて探すと時間がかかるので、試験中に頼めそうな人を考えておくのがおすすめです。
Ethicsは、教材を買う前に州が求める形式とタイミングを確認します。試験の直前期に入れる必要はありません。終えたら完了日を記録しておきましょう。州の条件は変わることがあるので、公式ページはスクリーンショットやPDFで日付つきで保存しておくと安心です。
条件の一次情報は、各州のBoard of AccountancyとNASBAの案内です。受験前の州選びについては受験資格と州選びで解説しています。
ライセンスが役立つ場面と、よくある勘違い
ライセンスが特に役立つのは、対外的な信頼が求められる場面や、特定の職種の条件になっている場合、海外・外資・監査の分野で肩書きが問われる場面です。一方、社内での評価や自分の実力の証明が目的なら、4科目合格だけでも十分な価値があります。年収や転職先についてはキャリアガイドをご覧ください。
実務経験が大きく足りず、今の目標が4科目合格なら、ライセンスを急ぐと両方が中途半端になりやすいので、試験を優先してかまいません。反対に、CPAと名乗ることがキャリアの前提なら、試験中から実務経験の条件を意識して仕事を選びましょう。
よくある勘違いは、次のようなものです。
- 4科目合格=すぐにUSCPAと名乗れる
- どの州でも経験要件が同じ
- 日本の経理経験が自動的に認められる
- Ethicsは後回しでよい(州により期限感が違う)
申請では書類の準備や手数料の支払い、審査待ちがあります。追加の書類を求められても、条件との照合や説明が足りなかっただけのことが多いので、落ち込む必要はありません。費用は試験とライセンスで分けて考えましょう(費用ガイド)。
よくある質問(ライセンス)
Q. 試験中に州を決めきるべきですか?
A. 1〜2つの候補に絞っておけば十分です。
Q. 日本に住んでいてもライセンスは取れますか?
A. 取っている人はいます。実務経験の条件を満たせるかがポイントです。
Q. Ethicsはいつ受ければいいですか?
A. 州の条件を確認してからで大丈夫です。試験中に焦って進める必要はありません。
Q. 4科目合格だけでも意味はありますか?
A. 目的によります。実力の証明としては十分に評価されます。CPAと名乗る必要があるなら、ライセンスまで取りましょう。