製造業で経理を6年担当しているKaiさんは、2025年11月にUSCPAの受験を決めてアビタスで勉強を始め、2026年5月末にFARを受験して81点で一発合格しました。勉強を始めてから約半年です。この記事では、CAMPの対談動画で本人が話した内容をもとに、独学で行き詰まった点と、合格までの勉強の進め方を紹介します。
受験を決めた理由
社内では経験に見合った評価をもらえていたものの、それが社外でも通用するスキルなのかと考えると自信が持てなかったといいます。今の会社の中だけで評価されるスキルではなく、どこにいても通用する専門性を証明したいと考えたのが、USCPAを目指したきっかけです。
海外では経理マネージャーの多くがCPAを持っていること、AIの発展で言葉の壁が低くなり、グローバルな基準でキャリアを考える必要が出てくることも理由に挙げています。一方で、USCPAは「これさえあれば安泰」という資格ではなく、経理・会計の仕事をするうえでの運転免許のようなもので、これまでの経験と掛け合わせることが大事だと話しています。
独学で行き詰まったこと
受験を決めてからしばらくは、アビタスの講義を受け、MCとTBSにも少しずつ取り組んでいました。それでも「このままで受かるのだろうか」という不安が消えなかったそうです。問題を復習するたびに、同じような論点でまた間違えていることに気づき、手を動かしているのに積み上がっていく感覚がありませんでした。苦手な論点も後回しにしてしまい、克服する道筋が見えない状態が続いていました。
コツコツ続ければいずれ前には進むと思う一方で、何を優先して進めるかを一人で判断するのが想像以上に難しかったといいます。本人は当時を振り返って、「進んでいる感覚」と「正しい方向に進んでいる感覚」はまったく別のものだったと話しています。そこで、第三者の視点から厳しく指摘してもらえる環境を求めてCAMPに入会しました。
勉強時間とスケジュールの決め方
入会前の勉強時間は週20時間に届くかどうかでしたが、入会後は10時間ほど増え、週30時間前後になりました。ほかのメンバーが週40時間近く勉強しているのを知り、刺激を受けたことが大きかったそうです。
平日は朝少し早めに仕事を始め、夜に勉強する形で、朝と夜を合わせて2〜3時間を確保しました。休日はまとまった時間をとっています。勉強する時間帯を固定し、「今日やるかやらないか」を毎回考えないようにしていました。飲み会も基本的にやめています。
スケジュールは、最初の面談でインプット期・アウトプット期・直前期に分け、それぞれ何をいつまでにどれだけやるかを数字と期限で決めました。最初は「ここまで細かく決めるのか」と感じたものの、感覚だけで進めていた部分の粗さに気づかされたといいます。週1回の面談で実際の進み具合と照らし合わせ、遅れていればその場で修正したことで、「今のペースで間に合うのか」という不安を抱えたまま走り続けることがなくなりました。自分で受験日から逆算したい場合は、勉強スケジュール逆算ツールも使えます。
正解した問題も「説明できるか」を確かめる
学習のやり方でいちばん変わったのは、学んで気づいたことをその場で言葉にする習慣です。「分かった気になっているだけの部分が多いかもしれない」と指摘されたのがきっかけでした。
たとえば税効果では、繰延税金資産の計算はできても、財務諸表を一から作る問題や、聞き方を変えた問題になると解けなくなっていました。そこで、丸がついたかどうかではなく、なぜこの選択肢が正解でほかが違うのかを、人に説明するつもりで声に出したり書き出したりするようにしました。正解していても説明できない問題は、実はたまたま合っていただけだと気づくことが多かったそうです。
最初は言葉に詰まる論点が多く、自分の理解の浅さを突きつけられるようで苦痛だったといいます。続けるうちに詰まる論点が減り、かかる時間も短くなりました。通勤中などのすき間時間には、言葉にした内容を頭の中で思い出し直していました。その結果、少し聞き方を変えた問題や初めて見る問題でも、どの論点のどこで引っかかっているのかを整理しながら考えられるようになりました。選択肢ごとに理由を確かめる練習には、全選択肢の解説がついたFAR練習問題も使えます。
FARの進め方と、直前期のランダム演習
FARは範囲の広さに圧倒され、どこから手をつければいいか分からない状態が続いたといいます。全部を均等にやろうとすると、どの論点も中途半端になる感覚がありました。そこで、インプット期は全体像をつかむことを優先し、細かい論点を完璧に理解するのは後回しにしました。アウトプット期はTBSを中心に進め、間違えた部分を言葉にして基礎を固め、苦手な論点をつぶしていきました。一通り終えた時点ではほとんど身についていない感覚でしたが、繰り返すうちに論点同士がつながっていく感覚が出てきたそうです。
直前期には、論点ごとに順番に解くのをやめ、順番を崩したランダム演習に切り替えました。テキストの順番どおりに解いていると、本番で違う論点が混ざって出たときにすぐ切り替えられるかは別の問題だと感じたためです。順番どおりでは気づかなかった、似た論点の見分けがあいまいな部分が浮き彫りになり、そこを最後につぶせたことで、本番でも落ち着いて初めて見る問題に対応できたと話しています。
現在はAUDも同じ方法で進めています。AUDでは、その手続が何を確かめるためのものかまで説明できるように言葉にしているそうです。
▶ YouTubeで見る【学習開始6ヶ月後に】80点超のハイスコアでFARに一発合格
この体験から取り入れられること
- 受験日から逆算して、期間ごとに何をいつまでにどれだけやるかを数字と期限で決める
- 勉強する時間帯を固定して、毎日「やるかどうか」を考えなくて済むようにする
- 正解した問題でも、ほかの選択肢がなぜ違うのかを説明できるか確かめる
- 直前期は論点の順番を崩して解き、似た論点の見分けがあいまいな部分を探す