米国の会計事務所でマネージャーとして働くKenさんは、渡米後にフルタイムで働きながら勉強し、約半年でUSCPAの4科目すべてに合格しました(2025年9月に全科目合格)。合格後にはマネージャーに昇格しています。この記事では、CAMPの対談動画で本人が話した内容をもとに、受験の順番と科目ごとにかけた期間、勉強時間の確保の仕方、合格してから変わったことを紹介します。
USCPAを受けた理由
Kenさんは新卒で日本のBIG4の監査法人に入り、その後、香港の会計ファームや外資系企業を経て渡米しました。米国での就職先は、毎年11月に開かれるボストンキャリアフォーラムで決まっています。8〜9月ごろに書類選考が始まり、通過するとオンラインや電話での事前面接があり、11月の会場で最終面接に進む流れだったそうです。
受け取ったオファーレターには、「3年以内にUSCPAを取得すること」という条件がついていました。会計の仕事を続けてきたので3年あれば何とかなると思う一方で、合格できなかったら職を失うのではないかという不安もあったといいます。
受験の順番と、科目ごとにかけた期間
教材はアビタスだけを使い、ほかの問題集には手を出していません。受験の順番と、それぞれの科目にかけた期間は次のとおりです。
| 順番 | 科目 | 勉強期間 |
|---|---|---|
| 1 | FAR | 約2か月 |
| 2 | REG・TCP(ほぼ同じ時期に受験) | 合わせて約5週間 |
| 3 | AUD | 約2か月 |
REGとTCPは内容がつながっているので、ひとまとまりと考えて同じ時期に受けました。AUDは、最初は3週間の準備で受けて70点で不合格になり、その後あらためて準備して合格しています。
いちばん大変だったのはFARです。大学在学中に簿記1級を取り、仕事でもずっと会計に関わってきたKenさんでも、難しいというより範囲が広くて手間がかかったと話しています。実務で扱う会計処理はFARの範囲の一部で、実務では見ない処理も試験には出るためです。会計の経験がなかったらFARで心が折れていたかもしれない、とも振り返っています。科目の順番の決め方は科目選択ガイドで解説しています。
週35〜40時間をどう確保したか
勉強時間を記録していたわけではありませんが、平日は仕事のあとに5〜6時間、週末は1日7〜8時間ほど勉強していたそうです。週にすると35〜40時間ほどになります。時間の目標を決めるのではなく、すき間時間も含めて、勉強できるときはすべて勉強にあてていました。
続けられた理由として挙げているのは、期限が決まっていたことです。一定の期間内に合格しないとマネージャーに昇格できない状況だったため、勉強も仕事の一環と考え、その期間はずっと勉強に集中していました。会計の経験がある人でもこれだけの時間をかけていることは、これから受ける人にとって一つの目安になります。
渡米直後は、車ならすぐの距離をバスで1時間以上かけて通勤し、社会保障番号がないためにインターネットの契約にも時間がかかるなど、生活を整えるだけでも手間がかかる時期でした。その中で勉強を続けています。自分の週の時間で何か月かかるかは、勉強スケジュール逆算ツールで計算できます。
合格してから変わったこと
資格を取ったからといって、担当する業務の範囲が急に変わったわけではないそうです。ただ、同僚の見る目が変わり、本気度が伝わったと感じているといいます。上司からは、報酬単価を上げるためにどんなサービスを提供できるか、アイデアを聞かれるようになりました。
米国の会計ファームのマネージャーの年収は、所属先や地域によるものの、13万〜16万ドル(日本円で2,000万〜2,500万円ほど)が目安だそうです。一方で、東海岸では1LDKの家賃が2,500ドルほどから、2LDKだと4,000ドル近くになるなど、生活費も高くなります。
英語については、文法はめちゃくちゃでも、伝えようとする姿勢があれば相手は聞いてくれると話しています。英語だけなら現地の人を雇えばよく、企業がビザを出してまで採用するのは、英語に加えて何かを持っている人だというのが本人の考えです。英語を完璧にしてから挑戦するのではなく、挑戦しながらうまくなればよいとも話しています。キャリアの選択肢はUSCPAのキャリアの記事でも紹介しています。
▶ YouTubeで見る【年収2,000万超】USCPA取得後のキャリアのリアル
この体験から取り入れられること
- REGとTCPのように内容がつながる科目は、時期を近づけて受ける
- 教材を増やさず、使うと決めた教材を最後まで使う
- 受験日や合格の期限を先に決めて、そこから勉強の優先順位を決める
- 会計の経験があっても、FARには十分な時間を見込んでおく
本人は最後に、USCPAは優先順位をコントロールできる人が合格できる試験で、仕事や家庭の事情で勉強の優先順位を下げると受験が長引きやすいと話しています。FARの進め方はFAR攻略、働きながらFARに合格した別の例はKaiさんの体験記をご覧ください。