「英語ができないとUSCPAは無理」というのは、半分正解で半分誤解です。試験は英語で行われますが、ネイティブ並みの英語力が問われるわけではありません。TOEIC 600点台から合格した人もいますし、英語と会計の勉強を同時に進めて乗り越えた社会人もたくさんいます。
USCPAで求められる英語のレベル
試験問題の英文は、法律や会計の専門用語こそ多いものの、文の構造は中学〜高校レベルのシンプルなものがほとんどです。求められるのは英語を流暢に話す力ではなく、会計の英語を正確に読む力です。この2つはまったく別のスキルだと知っておきましょう。
問題文に出てくる単語は、日常会話ではまず使わない専門用語です。"Depreciation"(減価償却)、"Contingent liability"(偶発負債)、"Going concern"(継続企業の前提)といった用語の意味が分かれば、TOEIC 600点台でも問題文は読み解けます。一般的な英語力を底上げするより、専門用語を先に覚えるほうが試験に直結します。
押さえておきたい会計英語10語
Depreciation
減価償却
Accrual
発生主義・未払計上
Materiality
重要性
Going Concern
継続企業の前提
Impairment
減損
Contingency
偶発事象
Consolidation
連結
Deferred Tax
繰延税金
Assertion
経営者の主張
Revenue Recognition
収益認識
当サイトの英単語フラッシュカード(180語)で繰り返し練習できます
用語はUSCPA英単語180の一覧にまとめています。
"学生時代の英語の成績は「2」でした。TOEICも受けたことがありませんでした。でも専門用語を200語だけ徹底的に覚えて、問題文に慣れたら、半年で読めるようになりました。英語力というより「会計英語への慣れ」の問題だったと思います。(AUD合格者/29歳・営業職から転身)"
英語が苦手な人がやりがちな失敗
①英語の勉強を会計より優先する 「TOEICを800点にしてから始めよう」として、スタートが半年以上遅れるパターンです。試験の英語は専門用語が中心なので、TOEIC対策より用語を先に覚えるほうが近道です。
②問題文を日本語に訳してから考える 本番で時間が足りなくなる大きな原因です。英文を英語のまま、会計の文脈で理解する練習を早いうちから積んでおきましょう。
③会話や作文を練習する 試験は読む問題と選択問題が中心で、会話力は必要ありません。英会話スクールは合格後で十分です。
また、「全部英語のせい」と思い込むのも危険です。実は計算手順や概念の理解が足りないのに英語の教材を増やすと、時間だけがなくなります。見分け方は簡単で、同じ論点を日本語で説明できるか試してみてください。説明できないなら、英語より先に論点の理解に戻りましょう。
英語と会計を同時に伸ばす進め方
最初の1ヶ月は、会計の専門用語を毎日少しずつ覚えます。次の1〜2ヶ月は、教材の問題文を日本語に訳さずに読む練習を毎日30分ほど続けます。3ヶ月目からは、本番形式の問題を英語のまま解く流れに入ります。英語だけを先に完璧にしてから科目の勉強を始める必要はありません。
英語の勉強時間は、週の勉強時間の15〜25%ほどが目安です。週15時間なら2〜4時間で、中身は間違えた英文の読み直し、用語の復習、問題文の条件の読み直しに絞ります。
辞書は文の構造がつかめてから引き、翻訳ツールはどうしても構文が取れないときだけ使って、翌日は原文で読み直しましょう。会計も英語も不安な人は、用語は科目の勉強の中で覚え、概念は日本語の解説で理解し、問題演習で英文に戻る、という進め方がおすすめです。
つまずき方別・科目別のポイント
- 読むのが遅い:全文を丁寧に読むのをやめ、設問 → 条件 → 数字の順に読む練習をします
- 用語で止まる:一般的な単語帳より、間違えた問題に出てきた用語だけを覚えていきます
- TBSで指示を読み落とす:英語力より手順の抜けが原因のことが多いので、解く手順を先に確認します
- 選択肢の細かい違いが取れない:否定語・期間・例外の条件に線を引いて読む習慣をつけます
科目ごとに見ると、FARは計算の条件や期間の読み落としが失点につながりやすく、AUDは長文でも、結論に必要な証拠・リスク・手続きの言葉を拾えれば解けます。REGは税法とBusiness Lawで使う語彙が違うので、勉強する日を分けると混乱しにくくなります。各科目の勉強法はFAR・AUD・REGの記事をご覧ください。
直前期と、不合格だったとき
受験の直前に新しい単語帳を始めるのはやめておきましょう。直前期は、これまで間違えた用語や英文の見直しと、TBSの指示文の確認に絞ります。本番で知らない単語が出てくるのは普通のことです。すべて理解する必要はなく、答えに必要な条件が読み取れれば大丈夫です。
不合格の原因が英語だと感じたら、Performance Report(成績表)の弱い分野と、自分が間違えた問題を照らし合わせてみてください。用語のミスなのか、条件の読み落としなのか、概念の理解不足なのかで、対策が変わります。再受験ガイドもご覧ください。
よくある質問(英語)
Q. TOEICは何点必要ですか?
A. 明確な基準はありません。点数より、本試験形式の英文を読めるかどうかが大切です。
Q. 英会話は必要ですか?
A. 必要ありません。必要なのは問題文を読む力です。
Q. 英語だけ先に半年勉強すべきですか?
A. おすすめしません。科目の勉強と並行したほうが早く身につきます。
Q. 翻訳しながら解いてもいいですか?
A. 勉強の序盤に一時的に使うのはかまいませんが、本番形式の練習に入ったら原文で解きましょう。