AUD(Auditing and Attestation)は、FARと同じ勉強法ではうまくいきにくい科目です。問題を解く量を増やすより、テキストを読み込んで監査の手続きを理解することが得点につながります。
FARと同じ勉強をしないこと
AUDでいちばん多い失敗は、FARでうまくいった勉強法をそのまま持ち込むことです。FARで結果を出した人ほど、この落とし穴にはまりやすくなります。
FARは問題演習が中心の科目で、MCとTBSを何周も繰り返すことで理解が深まりました。AUDは範囲がFARほど広くない代わりに、暗記と監査手続きの理解が大切になります。問題集はFARほど周回しなくてよいので、そのぶんテキストを読む回数を増やしましょう。
問題集のMCやTBSが解けるようになっても、それは見たことのある問題に対応できるようになっただけで、初見の問題に対応できるとは限りません。本番で問われるのは、監査の手続きそのものを理解しているかどうかです。
監査人の判断の流れをつかむ
AUDの合格率はAICPAの公表でおおむね5割弱で、再受験になりやすい科目でもあります。問われるのは「この状況で監査人は何をすべきか」という判断です。リスク評価、監査手続の選択、証拠が十分かどうかの判断という流れを、手続きの意味から理解しておく必要があります。
特に押さえておきたいのは次の3つです。①リスク評価:統制リスク・固有リスク・発見リスクの関係を図で描けるか。②監査報告書:無限定適正意見・限定付適正意見・不適正意見・意見不表明の違いを説明できるか。③監査証拠:物理的証拠・文書証拠・分析的手続・質問などの証拠力の違いを理解しているか。
間違えた問題は、「状況」「リスク」「手続き」「証拠で確認すること」「報告への影響」の5つに分けて振り返ると、どこで判断を誤ったのかが見えやすくなります。解説を読む前に自分で書き出し、書けなかった部分だけを解説で確認してください。
MCで引っかかりやすいポイント
AUDのMCでは、選択肢がどれも正しいことを書いているケースがよくあります。その記述自体は正しいものの、今問われている段階の話としては適切ではない、という選択肢です。統制テストの話なのか実証性テストの話なのか、監査なのかレビューなのか、それとも別の業務なのか。今どの段階の話をしているかを常に意識して読むだけで、正答率はかなり変わります。
選択肢に引っ張られないよう、問題文を読んだら選択肢を見る前に自分の答えを考える練習も効果的です。否定語(not、except)、例外、期間、責任の所在にも注意して読みましょう。
苦手になりやすい論点と、直前期の過ごし方
受講生の相談で多いのは、統制テストと実証性テストのうち、特に売掛金・買掛金まわりのプロセスです。資料が多く、手続きの順番が入れ替わるとつまずきやすいので、テキストに立ち返りながら丁寧に整理します。もう一つはサンプリングで、確率比例サンプリングのように計算式でサンプル数を決めていく論点は、慣れるまで時間がかかっても不思議ではありません。
FARではTBSがいちばんの壁になることが多い一方、AUDではTBSのほうがむしろ解きやすいと感じる人も少なくありません。AUDのTBSはMCの組み合わせなので、MCの内容が身についていれば、あとは出題形式に慣れるだけで対応できます。
独立性や職業倫理のように細かいルールが多い分野は、早い段階で完璧にしなくても大丈夫です。直前期にまとめて毎日見れば間に合います。期間は4ヶ月で仕上がれば早いほうで、5ヶ月から半年かかる人も珍しくありません。FARのあとは気が緩んでペースが落ちやすいので、そこだけ注意してください。
自分の弱点はRQ弱点診断のAUD科目で確認できます。選択肢の読み分けを練習したい人は、全選択肢の解説つきのAUD練習問題も使えます。英文の長さが気になる人は英語力の記事、不合格だった人は再受験ガイドもご覧ください。
よくある質問(AUD)
Q. AUDはFARと同じ勉強法でいいですか?
A. FARほど問題集を周回しなくてよいので、そのぶんテキストを読み込む時間を増やすのがおすすめです。
Q. FARの後に受けるべきですか?
A. 順番は人によります。FARの会計知識があると理解しやすい論点もあります。
Q. 監査の実務経験は必要ですか?
A. 必須ではありません。実務経験がなくても、テキストで手続きを理解すれば対応できます。
Q. 何度も落ちています
A. 回数より、前回と勉強の中身を変えたかどうかが大切です。再受験ガイドをご覧ください。